狩野川放水路のカンザクラは今年2月21日頃開花し、3月5日に5分咲き、昨年と同じ8日に満開を迎え、すでに散り始めています。
気象庁が3月1日に発表した「冬(12月~2月)の天候」によりますと、今年は冬型の気圧配置が長続きせず、冬の平均気温は全国的に高かったとのこと。もちろん1月後半、大陸からの強い寒気の流入で九州で積雪、沖縄にみぞれが降りましたが、2月は日本海を通過する低気圧に向かって暖かい南風が吹き込むことで東日本を中心に気温が平年を上回ることもありました。平年差(比)図2016年冬
九州と北海道北部で日照時間が平年より短く、四国や南九州・沖縄で降水量が多かったことが分かります。
一方直近10日間はどうだったかと言いますと、西日本を中心に気温が高めで、関東から四国にかけて降水量が多く、関東地方がとりわけ日照時間が平年より短いという結果に。
代表として東京の気温グラフを挙げておきますが、3月8日に20℃を越えたかと思いきや一気に急降下しています。今年の冬の気温変動の特徴を表している気がします。
さて今後はどうなるのか。気象庁の季節予報はこう予想しています。
全国的に気温は高めで、特に「期間の前半はかなり高くなる」見込み(気象庁|異常天気早期警戒情報では全国的に「3月15日から1週間程度」と発表されています)。また低気圧や前線の影響で向こう1か月間は太平洋岸で降水量が多く日照時間が短くなるとのこと。
では日本を代表する民間気象事業者3社が今年の開花前線をどのように予想しているのかみていきましょう。
まずは気象庁と台風の上陸の定義をめぐってバトルする、気象予報業界の暴れん坊ウェザーニューズ社のさくら情報から。
東は東京、西は福岡から開花スタート!
北/東日本では平年並か早めの予想
今シーズンのソメイヨシノの開花は、3/21頃に、東日本は東京、西日本は福岡から始まる予想です。東日本のつぼみは順調に生長しており、3月の気温が平年並~高くなることから、桜の開花は平年並かやや早めとなる見込みです。都心周辺では25日頃からお花見シーズンが始まりそうです。
西日本のつぼみは、暖冬の影響が懸念されていましたが、「全国つぼみ調査」から先週の暖かさで急速に生長し、遅れを取り戻していることがわかりました。また、今後の気温傾向は平年並か高めの予想で、開花時期の直前に再び平年を大きく上回る暖かさが見込まれています。このため、西日本の開花時期を平年並かやや遅めに変更し、前回発表から開花予想日を1~2日程度早めたことで、福岡が東京と並んで21日に開花する予想となりました。
だそうです。「暖冬の影響で休眠打破が不十分」とどや顔で分析していたのは一体何だったのでしょう(笑)
ところで桜開花情報を見ると、




東京や福岡よりも早く一輪開花すると予想されている地点がこんなに。いやもちろんソメイヨシノがなんて書き方はなく、単なる「桜開花情報」ですが。一般的に公園には様々な品種が植えられているのですから、せめて記録している品種くらいは書いておいてほしいものです。



さらにいえば東京や福岡で3月21日に開花するのは数地点にもかかわらず、それ以上に挙げられている静岡県が紹介されていないってどういうこと?ウェザーニュースのさくらチャンネル担当者を小一時間問い詰めたい静岡県民。
それにふつうは開花日の情報と整合性をもたせてくるものですが、ウェザーニュースだから仕方ないか。
つづいては昨年難易度の高い東北と北海道の予想を「開花の2~3週間以上前に誤差3日以内に抑えら」れたと自画自賛するウェザーマップ「さくら開花予想2016」より。
ひとくち解説 【3月10日更新】
今年のさくらは、平年より早い開花となるところが多いでしょう。開花が一番早い予想なのは福岡で3月19日。関東から西の地域では、見頃は3月末ごろとなりそうです。
昨年の11月から1月半ばにかけて気温が高い状態が続き、記録的な暖冬となりました。暖冬は桜の花芽が休眠から目覚めにくく、開花が遅くなる要因となります。
一方で、1月末以降も気温が高い日が多く、この先も15日火曜日ごろから再びかなりの高温傾向となる見込みです。このため、暖冬による影響を考慮しても平年よりも早い開花となるところが多い見込みです。
ただ、暖冬による開花の遅れは、平年の気温が高い地域ほど大きくなるため、九州南部など西日本の太平洋沿岸を中心に、開花がやや遅くなる所もありそうです。
北日本は暖冬の影響が小さいですが、高温傾向も東・西日本ほどではないため、平年よりやや早い開花となる見込みです。
3月15日からの高温傾向を考慮して前回の 3/31 開花ラインが概ね 3/25 開花ラインになっていますね。ただし暖冬の影響を考慮して「平年の気温が高い地域」を除いているため、南九州には 3/31 ラインがひかれていますが。分かりやすい。
そのため桜開花前線の上陸が3月19日の福岡からというのは変わっていません。なおウェザーニュースとそのシンパ以外、世間一般の開花日というのは 5-6 輪咲いた状態ですから、これはウェザーニュースよりも早い判断です。
一方桜情報 - 開花予想 - 日本気象協会 tenki.jp はどうかと言いますと、
桜の開花予想<第4回> 2016年3月9日発表
概況
2016年の桜(ソメイヨシノほか)の開花日は、九州は平年並みか平年より遅く、その他の地域では、平年並みか平年より早い見込みです。3連休の最終日には東京(千代田区)と愛媛県の宇和島から桜前線がスタートし、九州から関東地方までの多くの地域では、新年度の幕開けを満開の桜で迎えることができそうです。その後、桜前線は4月上旬に北陸・東北南部へ達し、北海道から開花のたよりが届くのは4月末になる見込みです。北海道では、ゴールデンウィーク頃にお花見を楽しめる所が多いでしょう。
本文
3月第1週の週末は全国的に暖かい週末となり、広い範囲で最高気温が4月上旬から中旬の気温になりました。この先、一時的に冬型の気圧配置となり冬の寒さが戻ってくるため、花芽の生長は少し足踏みするでしょう。その後は、3月中旬から下旬にかけて寒暖を繰り返すものの気温は平年より高いため、桜の開花は平年並みか平年より早い所が多い見込みです。3月下旬から4月上旬にかけて、関東より西のエリアでお花見を楽しめるでしょう。4月、5月は数日の周期で天気が変わり、気温は平年並みか平年より高い見込みです。長野県、東北地方、北海道の桜の開花日も平年より早い所が多いでしょう。
こちらはウェザーマップより 3/25 の開花ラインがあまり広がらないと考える慎重論ですね。
開花前線の上陸予想は3月21日愛媛県宇和島市と東京都千代田区となっています。くどいようですが、ウェザーニュースの開花判断よりも早くなると見込まれています。
【3/15追記】昨日昼に発表になったウェザーマップの開花予想はさらに開花日が早められているため、時間が取れ次第今週中にアップデートしたいと思います。

なんか今週末に東京で開花発表が出そうな感じが怖いです。A(^_^;